棚田つうしん
2003.7.20号 まず最初に、この度の集中豪雨で被害に遭われ犠牲になられた水俣市宝川内集地区の棚田農家の皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 棚田を愛する者の一人として、断腸の思いを禁じえません。 シラス台地の危うさ、怖さをあらためて思い知らされた気がします。 扨て、「第1回 坂元棚田オ-ナ-会議」は、恒例の雨天のなかで無事強行され、こんな〝生憎のお天気〟にも拘らず大勢のオ-ナ-が参加され、〝道の駅酒谷・大会議室〟は「満員御礼」の垂れ幕が出そうな勢いでしたが、準備不足のため幕はでませんでした。 予定の挨拶もそこそこに、少し小降りになった今がチャンスとばかりに、各々が首から名札をぶらさげた「酒谷地区散策探検隊一行」は車に分乗し、最初の目的地〝小布瀬の滝〟に向かった。 「一本気で強情な梅雨前線」の異常な頑張りの影響で〝豊かな水量になった小布瀬の滝〟は結構堂々としていて、ライトアップの準備までされていてその本気ぶりが感じとれた。 〝ガイド役の日高会長〟の滝の由来を「聞こえの良いほうに変える」という〝大胆且つ斬新なアイデア〟に、「由来」とはそういうものなのだと感心し、納得した。 さらに、少し上のほうに〝祠〟があるということでしたが体力的な理由でこの度は辞退した。 小布瀬の滝から、国道の陸橋を挟んで5分ほど歩くと〝大谷石橋〟が見える。 アーチ型の綺麗な石橋は、近年まで国道の一部としてその責務を十分に果たしていたのにもかかわらず、地元の人々でさえその存在を忘れていたという〝気の毒な石橋〟で、その罪を深く反省した地元有志の努力で見違えるように〝華麗なる変身〟を遂げたが、その生い立ちなどの歴史的評価は後の話になりそうです。 石橋の下に広がる田圃の中に〝妙にリアルな案山子〟が存在し、そのリアルさが〝とんでもない悲劇〟を生んだがその責任は彼にはない。 〝華麗なる大谷石橋〟をもっと近くで見たいという〝健脚自慢の探検隊員〟は畦道を一周し、その目的を果たしたが〝元来ズボラで体力に自信のない私〟は〝ガイドの日高会長〟の流暢な説明を聞きながら、国道陸橋の下で〝健脚自慢の探検隊〟の帰りを待っていた。 〝ガイドの日高会長〟の説明も終わり、〝健脚自慢の探検隊員〟も集合し、次の目的地に向かうために歩き始めたとき「酒谷地区散策探検隊副隊長・川口さん」の奥さんが突然〝華麗なる大谷石橋〟に向かって大きな声でご主人を呼んだが、もうすでに奥さんの隣に居た「酒谷地区散策探検隊副隊長・川口さん」は〝何のことだという顔で〟自身の存在を告げると、川口副隊長夫人は笑い転げ、それにつられて周囲も大爆笑となった。 〝川口副隊長〟と〝妙にリアルな案山子〟のファッションが「帽子の色以外同じ」だったことが原因の総べてで、〝少しオチャメな川口夫人〟の責任では断じて無い。 その証拠に私自身も、「あの人は、いつまで石橋を見ているつもりなのかな?」「それにしても、動かないな?」などと思っていたが、そのことは内緒にしておいた。 そんな「川口副隊長・人違い事件」があったあと、〝探検隊一行〟は「酒谷川源流秘密基地」に向かったが折からの豪雨に行く手を阻まれ、さすが「秘密基地」だけに到達するだけでも容易ではないことを思い知らされた。 「秘密基地探検は次回(いつのことだかわかりませんが)」ということで、「酒谷地区散策探検隊」は解散。急遽、予定通り「坂元棚田見学ツアー」と改組したが誰も反対しなかった。 〝個性的で独創的なアヤフヤ田植え〟で、その成長が懸念されたが、そんな心配をよそに「苗達」は青々と見事に根付き、蛙ファミリーやアメンボウなどがスイスイ泳ぎまわっていた。 〝蛾の幼虫の大量発生〟の被害にあうことも無く、相変わらず「器量よしの坂元棚田」であることに安心し、日々の谷口さんの行き届いた管理にひたすら感謝。 「見慣れた風景」が「見飽きない」のは、こんな努力の結晶があるからだと思います。 本題の「オーナー会議」は、別紙報告のとおり活発な意見交換が行われ、各オーナーの棚田に対する熱意が伝わり、より充実したオーナー制度に発展することが確信できた。 また、〝小学生の古賀ジュニア〟も堂々と質問され、その存在をアピールした。 さまざまな立場の人が、それぞれの思いを述べ合うことは、棚田の将来にとって本当に喜ばしいことだと思います。こういう機会が定期的に開かれることを願っています。 「宮日新聞」のせいで、個人的に悩んでいた「坂元地区六地蔵の謎」は、〝ものしり博士の古沢さん〟の登場で無事解決。おかげで安心して寝られます。 「謎の六地蔵」まで案内していただき、ビックリ。六体の地蔵だとばかり思っていたが、実は六面体の地蔵で、このことは「案山子と間違えられた川口さん」に説得力ある解説をしていただき、 素直に納得。「案山子に間違えられた川口さん」は「さらにものしり博士の川口さん」となり、もっと話を聞いていたかったが、何しろ一本道を我が物顔で団体で占領していて、通行の邪魔になるのでやむなく解散した。 棚田を訪れるたび「謎の六地蔵」に逢える楽しみができた。 しかし、何故「さらにものしり博士の川口さん」があんなに地蔵について詳しいのか、新しい「謎」が一つ増えた。
by tnd8585
| 2005-12-21 09:12
| 棚田つうしん
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